兵庫県の中央付近は味わいのある山が多い.関東のように山は山,田園は田園,と別れておらず,山の間に田園地帯と農村が点在する,という分布が美しい光景を生み出している.
そんな中にある700m級の山,丹波の端にある白髪岳と松尾山のミニ縦走をすることにした.
ルートは
ヤマレコ.
バスを使わずにアクセスできるのが一つの魅力,JR福知山線の古市駅という無人駅が最寄りとなる.
無人駅ながら次の篠山口駅までの電車が多いため,1時間に3本以上あり便利だ.

数十分歩くと住山という集落に出る.山間の集落でみなさん明るく挨拶をくれる感じの良い村だ(関西の登山口の集落はこんな感じの場所が多くて好きだ).
ちょうど田植えの真っ盛り,ゴールデンウィークはみんな帰省して一家総出で田植えをするのだと知人の農家から聞いたがその通りのようだ.

農道から林道に変わり,そして登山口から急登になる.階段のあるつづら折りを登りつめると稜線に出る.稜線にはミツバツツジが咲いている.

岩場はそこそこの距離があって全部で10本くらいロープがあったかな?足掛かりも大きくなく,なかなかキワドイ.両神山の八丁尾根を思い出す(長さは全然違うが)

ただし,岩場は眺めが格別だ.新緑がまだら模様になって山を彩る.

白髪岳の山頂についた.自分の他に3人組の人たちともう一人いた.
パラパラ降りだした.北の方は低く雲が垂れ込めていて,もっと降っていそうだ.
手短に昼食を摂り先を急ぐ.

白髪岳の北面もちょっとガレていて降りるのに気をつかうが延々とロープがあるので怖くはない.
鞍部に降りると次のピークはトラバースして気持ちいい巻き道となる.ヤブツバキの木がものすごく沢山あって,ぎょっとするぐらいの赤い絨毯を形成していた.

いわゆる馬蹄形縦走の形をとる.次の松尾山の山頂が見える頃にはちょっと晴れ間が覗いてくれた.

松尾山の山頂.高校のワンゲル部か何かの人たちが居た.
ここはかつての山城であったらしい.周囲の斜面も急なのでかなりの難攻な城であったと思われる.

風が強くなってきたので早めに下山にかかる.
山頂から少し下ると仙ノ岩というのがあり,東側の眺望が素晴らしい.

急坂の下りが暫く続く.常緑広葉樹の落ち葉が濡れてかなり滑りやすい.気を使いながら下る.
しばらく下ると卵塔群がある.謂れはよく分からないが,お寺もあったらしいのでその関係だと思う.
この卵塔群の所で本来の道は折れ曲がるのだが,地形図ではもう少し曲がる場所は先なのでちょっと降りてみたがどうもおかしい.踏み跡もあるし別のお地蔵さんまであり小銭もお供えしてあったのでこっちが本線かと思ったがどんどんと踏み跡は尾根を降りていく.あやしいので引き返すと,さっき見落としていた道標がはっきりと正規のルートを指していた.

道はトラバース気味に東に進み,高仙寺跡という所に出た.山頂の山城とも関係しているのか,関西の山はいろいろな歴史を内在させている.

寺跡の先でまた急坂を下る.ここも地形図と異なるが素直に道標に従うことにする.
すると現れたのがこの不動の滝.滝を見せるために道を付け替えたのだろう.

やがて地形図上の別の道へとつながり,そして林道に出た.ちょっと安心.
しばらく歩くと最初の集落だ.

集落の道を歩いていると山頂で会った3人組の人たちの車が後ろからやってきた.
「乗って行きませんか?」とのお言葉に甘えて駅まで乗せていただいた.山を初めてそこそこ経つが初めての経験だなぁ.
岩場に滑りやすい急坂,さらにちょっと道を間違えたり,小さい山ながらもなかなかスリリングな山行だった.